2026年5月4日(月・祝)に、上野恩賜公園で開催された「上野の森親子ブックフェスタ2026」に行ってきました。この日の関東地方は、朝まで風雨が強く、予定通り開催ができるか心配されましたが、8時前には雨が上がり、会場設営の最中から活気に溢れる様子が見て取れました。9時半のオープン前には、入り口に行列ができるほど。例年どおりの光景です。
お昼前には、お目当ての本をたっぷり購入袋に入れてレジに並ぶ人の列ができ、あちらこちらの出展テントからは、読み聞かせやサイン会の声が聞こえてくるように。私も、2つのテントで絵本を読ませていただきました。にぎやかな会場の中でも、じっと絵本を見つめて聞き入るお子さんたちもいて、普段から絵本に親しんでいることが伝わってきます。なかには30分も立ったまま、お話し会に参加をしてくれた男の子もいました。
上野の森親子ブックフェスタで感じた変化
さて、当日の夜に放映された「ワールドビジネスサテライト」によると、この日の売上は、2,350万円だったそうです。絵本だけではなく、児童書やキャラクターグッズなども販売されていたので、一概に絵本の売上とは言えませんが、とても大きな金額ですね。番組の中では、10年前と現在の児童書販売金額の統計を比較し、「児童書業界は好調」と紹介していました。確かに、紙の書籍・雑誌全体の販売金額が同期間で大きく減少していることを考えると、児童書分野の健闘ぶりは際立っています(※)。ただ、「絵本市場は堅調」と言われていますが、もともと絵本市場が小規模であることを考えると手放しに喜べないという思いもあります。
会場を歩いていると、児童書市場の熱量を感じることができました。今年の出展社数は85社。この中には関連団体等も含まれますが、それにしても児童書を発行する出版社数の多さに驚いてしまいます。会場では、近年、児童書の分野に進出した出版社や、新しく立ち上がった出版社が老舗の児童書出版社と並んでおり、10年前とは出展社の顔ぶれが変化していることを実感しました。それぞれが個性豊かな絵本を発行し、切磋琢磨する中で絵本の可能性がさらに拡がっていることが伝わってきます。また、ファミリー層に混じって買い物やサイン会を楽しむ大人の姿も多くありました。それは、絵本が幅広い年齢層に親しまれ、市場を支える一因となっていることを物語っているように思います。
絵本に囲まれた楽しい一日を過ごしつつ、同時に児童書を取り巻く環境についても、あらためて考える機会となった「上野の森親子ブックフェスタ2026」。会場では多くの友人とも再会することができ、嬉しい時間となりました。来年もまた、この場所から絵本の今を感じてみたいと思います。
※出版科学研究所「出版指標年報」より。2014年と2024年の児童書販売金額を比較。児童書:856億円(9.7%増)、紙の書籍・雑誌全体:1兆56億円(37.4%減)