一冊の絵本が読者に届くまで

書店や図書館で絵本を開くとき、その色や手触りが気になることがあります。絵本は、印刷や製本を伴ってはじめて絵本という作品になります。そして、何気なく手に取った一冊には、実は多くの人の手間と時間が込められています。

絵本づくりに関わる人たち

一冊の絵本が生まれるには、まず作家の存在があります。絵本の場合、文を書く人、絵を描く人、その両方を手がける人がいます。また、海外から届く絵本には、翻訳をする人も必要です。そして、作家とともに絵本を作り上げるのが編集者です。企画の段階から、テキストや絵のやりとりを重ね、一冊の本にしていきます。いわば、絵本づくりのコンダクターともいえる存在。近年は、ブックデザインにこだわる作品や、プロモーションに力をいれる出版社も増え、企画段階から編集者は多方面の方と連携するようになりました。

出版社には、印刷以降の工程を管理する人たちもいます。用紙の調達や、印刷、製本の進行、コストのコントロール、そして品質管理の役割も担っていることがあります。絵本には、色表現や仕掛けの構造に関わる専門家を必要とするケースもあり、製造を委託する会社との連携は重要です。

絵本の販売を担当する出版社の営業は、新刊の絵本だけではなく、ロングセラーの作品の売り込みにも力をいれます。絵本には、長く読み継がれている作品が多くあるからです。営業先は、出版流通を担う取次会社だけではありません。書店、図書館、学校の図書室も、大切な販売先です。そして、児童書の出版社には、同業者が力を合わせて販売をする独特の営業スタイルもあります。

絵本の制作工程に触れてみると、一冊の絵本がもっと味わい深くなることもあるでしょう。もし、ご興味がありましたら、絵本講座でご一緒しませんか。絵本の工程を紹介した絵本『絵本ってどうやってつくるの?』(※)を楽しんでみるのもいいですね。この絵本を紹介したnoteの記事もあわせてどうぞ。

(※)ダニエル・ナップ 作 若松宣子 訳 ほるぷ出版2025

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